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教育業界のオンライン化は待ったなし

文:佐野智香 NPO法人まちづくり学校 理事 写真:和田一良

 学習には「知識・認知の段階(知る)」「習得・実践の段階(行う)」「内面化・自動化(身に付ける)」の3段階が必要になりますが、それを実現するためにも「場づくり」は重要な意味を持っているのではないかと私は考えています。

 では、オンライン化が進む中でどのように、その場づくりを行っているのかと言えば、一つ目は、「話し手 対 聞き手」という構図を作らず、少人数での話し合い(セッション)を取り入れ、その場にファシリテーターの役割を持った人を必ず置くこと。そうすることで細かいフォローを対面式のときのように行うことができます。

 二つ目は、オンライン上でもお互いの関係性ができるまでは、問いかけやアクティビティにもより気を配るようにしています。実際に「一枚の自己表現」を行いましたが、対面式と同じような手応えを得ることができました。

一枚の自己表現 ※研修所で行った例
A3用紙をクレヨン・マーカー・はさみ・のりなどを使って自由に自分を表現する

 少しでも画面越しに安心感をつくり、学習者同士の関係を構築し、学びをより深めていくためにも、これまでのワークショップ手法とオンラインが結びつくことで、新たな可能性があるのではないでしょうか。

オンライン会議を可視化しよう!

文・グラレコ・写真:稲村理紗 やぶへび情報員(山形市)

 コロナウイルスの影響により対面での会議やワークショップ等が難しい中、オンライン活用の機会が増えました。先日は新潟のまちづくり学校のメンバーとZOOMを使ったミーティングを行い、久々の顔ぶれにプチ同窓会のような気分になりました。これまでは、県外会員で子育て中のため中々実活動に参加出来ておりませんでしたが、オンラインは遠方からでもヒョイと参加できる。これは大きなメリットのひとつです。

メンバーでのZOOMミーティング 2020年5月28日

 一方、オンライン会議の感想でよく聞かれるのが「言葉のやり取りだけだとイメージや成果の共有が難しいよねえ」という嘆き。対面であればホワイトボードや模造紙に発言を板書し、全員で共有しながら話し合いを進めることができたのですが…。ZOOMの「ホワイトボード機能」も慣れないと使い勝手がよろしくない…。

 そんな声をヒントに私がZOOM会議で取り入れているのが、「ノートの板書をZOOM画面に映す」方法。話し合いの要点をノートに書き、その様子をミニ三脚でスマートフォンを下向きに固定して映しながらリアルタイムでメンバーに共有します。道具は、ミニ三脚、ノート(罫線入りのB5サイズが使いやすい)、黒の細い水性ペン(文字用)、蛍光ペン2~3色(アンダーラインや囲み用)。ホスト役の人に板書の画面を「スポットライト」機能で拡大してもらえれば、メンバー全員がノートの画面を大きなサイズで見ながら話し合いを進めることができます。スマートフォンとPC両方からログインすれば、記録役の人も顔を出して話し合いに参加することが可能です。その場合、スマートフォンの方をミュートにする等あらゆる対処をしても「スマートフォンから聞こえる、PCで参加している自分の声」が反響してしまうことが稀にあります。そんな場合は、スマートフォンのスピーカーの穴を養生テープで一時的に塞げば問題解決です(荒業ですが…汗)。

noteの番所を画面に映している様子 2020年5月7日
私が使っている道具 2020年6月9日

 直接のぬくもりを感じることができないオンライン会議ですが、アナログの温かみある手書き記録が人と人との物理的な距離を縮めてくれている、そんな効果もあるように感じています。

「ネットで乾杯」オンライン飲み会

文:池井豊 NPO法人まちづくり学校 理事

オンライン飲み会ってどんな感じ?

 世間ではオンライン飲み会なるものが流行っていまして「まちづくり学校でもやってみるか!」と5月2日(土)にオンライン交流会が開催されました。18名の方が参加して盛り上がりました。県外からも3名の参加者が居ましたし、久々に会う人?初めて会う?人も居ました。自己紹介と近況報告で一巡し、二巡目は「今年挑戦してみたいこと」をお題に交流を深めました。オンライン交流会の可能性を感じた夜でした。

お題(テーマ)無しでやったらどうなるの?

 二回目のオンライン交流会は5月16日(土)に行われました。この頃は周りに孤立している人も居て、ともかく人と話してみたくなっていた時期でした。この回はお題を定めずフリーに話を展開していきました。そしたら「お宝は何持ってる」→「アイドルグッズ」→「アイドルと言えば松田聖子だった」→「最近の若い娘で気になるのは二階堂ふみ」→「二階堂ふみと言えば『跳んでさいたま』」→「ところで、埼玉のいいところ(名所)は何処?」と結局まちづくり的な話に落ち着きました。

オンライン交流会&地域自慢の開催へ

 アフターコロナも見据えて、今後もオンライン交流会を継続していこうとなりました。目的は①どんな時でも「ひとりじゃない!」孤立しない人と人の交流を目指す。②新しい時代に合わせて、地域を超えて・世代を超えてのまちづくりの交流を促進する。③まちづくりの観点から「地域自慢」を促進し、バーチャルからリアルへ繋げていく。開催日は毎月第二土曜日を予定しています。内容は自己紹介(近況報告)とオンライン地域自慢大会で「地域の逸品(地酒・食材・料理)」と「地域自慢」を毎回5名くらいの発表を入れます。そして、「地域自慢台帳」や「地域自慢マップ」を作成して、面白い方向へ展開出来たらと思っています。
 とりあえず「ネットで乾杯!」から始めましょう!

「まちづくり学校オンライン交流会&地域自慢」スタート

文:池井豊 NPO法人まちづくり学校

とりあえず、やってみた!

 オンライン交流会の発展型未来志向の「まちづくり学校オンライン交流会&地域自慢」が開催されました。15名の方が参加して盛り上がりました。県外からも秋田・富山・福島の3名が参加して頂きました。

乾杯! オンライン交流会 チャットも大活躍

次第はこんな感じ!

19:05~:参加者の自己紹介と近況報告(今、何飲んで、何食べている?)

19:30~:第1回オンライン地域自慢大会 

①新潟市古町花街…知野さん

②柏崎市…長谷川さん

③秋田県湯沢市…菅さん

④富山県魚津市…上田さん

20:00~:集合写真撮影

20:10~『聡のチョット見て視て!』瀬波温泉おひとりさまブラニイガタ…大滝さん

20:20~:ブレイクアウトルーム(分散交流会)テーマは「最近あった嬉しかったこと」

21:00~:ブレイクアウトルーム報告(ファシリテーターが報告!)

21:10~:「ちょっとあの人に聴いてみたい!」(質問タイム)

22:00終了

 なかなか思い通りの進行にはなりませんでしたが、メンバーがメンバーだけの話題に事欠きませんでした。

突然のハッピーバースデー!

 参加の乙川ちかさんが当日誕生日だったので、みんなでハッピーバースデーを歌いました。オンラインだとタイムラグが有り、上手くそろわないことが分かりました。とりあえず、お祝いの気持ちだけは届いたようです。

オンライン交流会&地域自慢の定例開催へ

 アフターコロナも見据えて、今後もオンライン交流会を継続していこうとなっています。開催日は毎月第二土曜日を予定しています。参加者大募集です。

 目的は①どんな時でも「ひとりじゃない!」孤立しない人と人の交流を目指す。②新しい時代に合わせて、地域を超えて・世代を超えてのまちづくりの交流を促進する。③まちづくりの観点から「地域自慢」を促進し、バーチャルからリアルへ繋げていく。

地域自慢したい人大募集

 毎回のオンライン交流会で地域自慢大を5名くらい入れていきたいと思っています。そして、「地域自慢台帳」や「地域自慢マップ」を作成して、面白い方向へ展開出来たらと思っています。「みなさんの地域じまんしてみませんか!」

奥深き階段の世界

エッセイ文・イラスト:小口彩

 みなさんは、「階段」と聞くと、どんな階段を思い浮かべるでしょうか。
 ご自身のお宅の階段、それとも、池田屋事件の階段でしょうか。一口に階段といっても、さまざまな種類・形態があります。階段は、地球上で生きるわたしたちにとって「縦の道」。下から上、上から下に移動するには、欠かせません。
 階段で、どことどこを、どのくらいの距離で繋ぐのか。そこには、そこに暮らす人たちのドラマが潜んでいます。たとえば、段差の幅や色合い、そこに並ぶ花の鉢。
 さらに、階段が、どこに、何のためにある(いる)のか。
 さて、なぜこんなことを言い出したかといいますと…。
 先日、ひとりまち歩きをした時のことです。お金もかからず、地味に楽しく、かつ、健康にもよい。こんな動機で開始したまち歩きですが、思わぬ出会いが次々とありました。
 それは、階段。わたしがふらふら歩いていると、突然、彼らが目に飛び込んできたのです。それも、1人だけでなく、5人そろって。(ちなみに、細い階段の場合は「本」と数えるようです。)道を歩いていて、ちょっと細い道があるなあと思い、そうっとのぞくと、居るのです。家と家との間にある1メートルほどの幅の通路の奥に、5段のちいさな階段が、居るのです。まさか…と思い、また次の通路をのぞく。いる。
 いかがでしょう。この期待と不安の興奮たるや。まるで、家々のすき間をまもる隊員。そう、5本の階段レンジャー。
 おそらく、これらの階段は、私道兼公道である、「共用階段」なのだと思われます。たった五歩、されど五歩。昔からある階段たちの上で、どのような会談がなされたのか。会談on階段。階段は1つのコミュニティ化していたのではないでしょうか…。
 おとなになると、毎日がルーティン化しがちです。そんな日々の薬味のひとつに、階段レンジャ―との出会い。シナプスが1つ増えるかもしれません。ちなみに、恐怖の13階段、どこから数えれば13なのでしょうか…。階段、奥が深いです。

「電話をかけまくった編集デスク」 編集後記

文:編集長 和田一良

 創刊号のほとんどは、原稿の窓口となってくれた中村美香さんの力によるところが大きい。彼女は、電話をかけまくって原稿を依頼し、集めてくれたのだ。メール、Messenger、LINE、最近になってまちづくり学校ではSlackが導入されているんだけど、力を発揮したのは彼女の「電話」。古いものがいいって言いたいわけではないが、効果を発揮するのは何かを考えるとき、送り手、受け手、内容、手段、文脈をきちんと考えなきゃなあと思う。
 山形市からやぶへび情報員として原稿を送ってくれた稲村理紗さんにも感謝しなければいけない。創刊準備号ですぐ反応してくれたのだからこちらのモチベーションは上がった!そういえば彼女の原稿は、送り手、受け手、内容、手段、文脈以外の雰囲気づくりについて語ってた。荒れた言葉がSNSをかけめぐる事件を目にするが、あらためて多様な知恵を集めてデザインする方法を考えなきゃね。

※次号は、9月15日に発行予定です。しかし、人が人を紹介して続けていく通称「イモヅルコーナー」は、単独記事にしてできるだけ早く回るようにしたいと思っています。お楽しみに。